スポーツコラム 【10話.天才ボクサー、浪速のジョー 辰吉丈一郎】
8月29日に日本人初の三度目の返り咲きを狙う辰吉丈一郎(20=大阪帝拳)選手がチャンピョンのウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ)に7回44秒、TKOで敗れ、試合後に現役引退を表明しました。
14年のボクサー人生で初めて恐怖を感じた。全てをかけた復しゅう戦は惨敗だった。
「コンディションは万全。自信を持ってリングに上がったんやから、それだけウィラポンが強かったんでしょ。」ダウンこそなかったが試合は壮絶だった。
「2度同じ相手に意識をなくさせられるやなんて、、、まあ、辞めた方がいいでしょうね。女房、子供のことを思うとね。これ以上体を壊したくない」
網膜剥離を認めない日本ボクシングコミッション(JBC)を説き伏せての再起など、いくつもの障害を乗り越えてきた「20世紀最後の名王者」の最後の試合は亡き父とともに散った。「ボクシングという職業は終わったが、辰吉はまだ終わってない」と意欲的に語ってくれたが、何か寂しさを感じました。さようなら「天才ボクサー、ジョー」
そして、再び復活してくれることを願っています! 1999/9/03
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