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スポーツコラム 【特別編.センバツ初優勝、甲子園で進化した東海大相模】

第72回全国選抜高校野球大会は、神奈川県代表の東海大相模が初優勝した。センバツでは過去二度、準優勝に輝いていたが、今大会では青年監督率いる新生東海を強く印象づけて紫紺の大気をつかんだ。おめでとう。
「優勝を目指す」。主将の菊池一也選手は力強くそう誓って甲子園に向かった。昨秋の関東大会を制し、「東の横綱」としての候補の一角を占めていたチーム。優勝宣言はそのプレッシャーをはね返す意味のあったのだろうが、言葉通りに全国の頂点を極めるのは大変なことだ。勝因の第一は、エースの筑川利希也投手、菊池捕手のバッテリーを中心とした攻撃的守備力といっていい。
決勝戦の強豪・智弁和歌山戦で見せた内野陣の鋭い出足、俊足外野陣の幅広い守りは、何度もチームの危機を救い、エースをもり立てた。かなめである筑川投手の粘り強さは特筆される。全五試合に先発し、決勝戦を含む四試合で完投した。準々決勝からは三日連投で、細身の体のどこにそんなスタミナがあるのか不思議に見えた。ウエイトトレーニングの筋力アップに加えて、酸素を薄くした高地式トレーニングルームで心肺機能を鍛え上げたという。粘りはまた投球術にも表れていた。スライダーを武器に奪三振の山を築いていったが、ピンチに強打者を迎えたここぞの場面ではストレートで徹底して押した。強気こそ、投手に最も必要な要素だ。的を絞らせない配球の組み立ては見事で打者心理を読み取ったバッテリーの勝利ともいえた。
攻撃も積極的だった。「無安打で1点をとる」野球は、緩慢なプレーのすきを突く果敢な走塁にも見られた。一塁走者が中前安打で一気に三塁を陥れる、あるいは三塁走者が前進守備の内野ゴロでも本塁を突いた。一方で、決勝戦では五つの送りバントをすべて成功させ、うち四度、得点に結びつけた。バントで走者を得点圏に送れば、一打で点に結び付き、同時に相手にプレッシャーをかけることにもなるという高校野球のお手本だ。
だが、初戦では外野の位置取り、ベンチの指示、配給などちぐはぐな場面が目についた。それが、一戦ごとに修正されていった。チームとして育ち盛りの春とはいえ、甲子園の大舞台で「進化」していくさまは、見ていてほれぼれした。

進化の背景には、投攻守に絶えざる反復練習があった、とみる。それも単純な練習であればあるほど、きちんとした目標を立て、全員が納得して取り組まなければならない。でなければ、試合で急に課題や反省点を指摘されてそれができるほど野球というスポーツは甘くない。東海を頂点に押し上げたのは、正確な状況判断と、攻守にわたり「一歩前へ」という積極的な姿勢がナイン、ベンチに一体としてあったからだ。
筑川投手が優勝インタビューで「春は夏に向けての通過点」と言い切った言葉に、それが表れている。  2000/4/08 (神奈川新聞からの抜粋。)
「一歩前へ」それはプレーはもちろん、気持ちも前向きということだろ。それが積極的な姿勢へと変わり、ベンチでの一体感を作りだしたのだと思う。「単純な練習であればあるほど、きちんとした目標を立て、全員が納得して取り組まなければならない。」なるほど、基本がしっかりしたチームに映るわけだ。どこでもやっている練習なのかも知れないが、一味違うと感じるのは何故だろう。「通過点の春」夏も期待感でいっぱいです。 Wata.




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