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スポーツコラム 【47話.1万メートル優勝、五輪代表確実! 弘山晴美】

陸上のシドニー五輪日本代表選考会を兼ねた水戸国際大会は5月7日、水戸市立陸上競技場で、19種目の決勝が行われました。女子1万メートルは、マラソン代表に挑戦して落選した弘山晴美(31=資生堂)選手が残り2000メートルで一気に後続を突き離し、31分59秒60で、2位以下に大差をつけて快勝。3月13日のマラソン代表落選から55日。悔しさをバネに、一時は引退もチラつくどん底からはい上がり、女子1万メートル代表の座を確実にしました。
トラックの女王が、マラソンで味わった代表落選のショックから復活!同五輪に出場することが確実になりましたね。過去の実績と合わせて代表の座は文句なしでしょう。
回り道をした末の目標達成には、夫でコーチの勉さん(33)や、ライバル選手の励ましが大きな支えとなっていた。レース後、先に涙を流したのは勉コーチの方とか。「最近、泣いてばかりですね。でも、きょうは、うれし涙ですから」。これまでの苦しい道のりが、夫の胸を覆った。弘山選手は「勝つことだけを考えていた。精神的に落ち込んだこともあったけど、ここまで来れました」と、肩の荷を降ろした表情だった。
今年1月の大阪国際マラソンで、日本歴代3位の2時間22分56秒をマークしたが、リディア・シモン選手(ルーマニア)に一歩及ばず、2位。3月13日の日本陸連のマラソン代表選考会議では、残念ながら落選しました。一万メートルの代表なら昨年秋に内定をもらえるもチャンスあったが、それを振り切ってマラソンに挑戦していただけに、その悔しさは容易に想像できます。
一万メートルの代表獲得を宣言して、3月下旬に渡米。コロラド州の高地、ボルダーで合宿を始めたが、最初の10日間の弘山選手は、精神的な落ち込みで、ほとんど練習ができない状態。「疲れた。もう、(五輪挑戦は)やめたい」。そんな言葉ももれたとか「抜け殻状態」だったと勉コーチ。
「僕に言葉をかけてほしいのだ、とわかったが、わざとらしい激励はあえてしなかった」。
弘山選手の意思の強さを信じてプレッシャーをかけず、精神状態に合わせてメニューを組み直すことで、意欲の回復を待ったそうです。すばらしいチームワークですね。
再起のきっかけは、周囲の励まし。日本の実業団選手から「あなたたちだけの問題じゃない。(五輪に)行ってもらわないとわれわれも気が済まない」と言われた。大阪で敗れたシモン選手からの励ましも大きかった。同じ合宿地に来ていたシモン選手は、食事をともにする機会を設けて、温かい声をかけてくれた。「五輪には、絶対に出場して。あなただけの問題じゃない。あなたがあきらめたら私が寂しい」「シドニーで会いましょう」と。。。
周囲の温かさに包まれて、4月初め、弘山選手は目覚めたように意欲を取り戻した。後は、予定のメニューをこなすだけ。力は蘇った。
弘山選手は「マラソンをやったのは、マイナスじゃなかった」と話し、勉さんは「メダルを目指し、質の高い練習をする」とシドニーを見据えた。五輪では、苦しんだ経験をプラスにして、メダルを狙います」。見守る夫を横にして、弘山選手から力強い言葉も出ました。
「世界選手権のような追い上げる展開でなく、五輪では前の集団の中で戦いたい」。ラストの切れ味は世界トップクラス。残り1000メートルまでの走力を勉コーチと磨いていく。
それにしても、1ケ月足らずでしっかり調整できる能力は他の選手を見渡してもいませんね。激動動の55日間を乗り越え。遠回りした末、栄光へのきっかけを再び夫婦でつかみました。

大阪で流した悔し涙が、水戸で喜びの涙に変わり、そしてシドニーでは歓喜の笑顔に変わってほしい。 2000/5/14




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