Special Information

過去のスポーツコラム
スポーツコラム  コラム健康  スポーツ語録&名言集  Special Information

「Wata倶楽部ネット」で気になるスポーツ選手や、
頑張ってほしいと思っている選手への応援メッセージから
スポーツトレーニング話題などを主に掲載しています。

スポーツコラム 【54話.19場所ぶり10度目の優勝! 横綱曙】

 こみ上げる涙
 上を向いた
 それでもあふれた
「優勝はそれほど大きいものだから」

大相撲名古屋場所13日目(7月21日、愛知県体育館)。3年ぶりの涙のV。横綱曙が執念の相撲で大関雅山を押し出しで下し初日からの13連勝で、19場所ぶり10度目の優勝を果たしました。苦しかった3年2カ月!19場所ぶりに10度目の優勝。横綱として年6場所制となってから史上最長の復活劇でした。
待ちに待った時が訪れた。19場所ぶりの復活V。最高の歓喜を曙は実感できない。土俵下に転がり落ちた雅山をにらみつけて仁王立ち。勝ち名乗りを受けるのも忘れて、ただ呆然。天を仰いで必死にあふれ出す涙をこらえた。

 「きょうは泣きました。勝ったらシャキッとしようと思っていたけど・・・。
  本当に3年分、うれしい。(辞めて)逃げなくてよかった」

苦しみ抜いた3年間だった。左足太もも肉離れ、腰のヘルニアなど、次々と故障に悩まされた日々。昨年の皆勤は2場所だけ。優勝もままならない相撲人生の崖っぷち。「優勝ができなければ、横綱の資格はない。辞めてしまえばいい」。一部の横綱審議委員から“引退勧告”さえも飛び出し、一時は引退も考えた。「このままでいいのか」。横綱の地位を重さを痛感。屈辱と戦い、自問自答した末の結論はただ一つ。優勝9回のプライドを捨てて、一からやり直すしかなかった。自分のため、そして、家族のためにも・・・。
そして最高の相撲で、完全復活を成し遂げた。右から張り差し。雅山にいなされても、下半身はぐらつかない。冷静に対処し左四つに組み止める。上手を引き付け、執念で土俵下まで新大関を吹き飛ばしましたね。
環境も大きく変化した。夫人のクリスティーン麗子さん(29)との結婚に反対し、後援会が解散。私生活でも“四面楚歌”に追い込まれた。「結婚して、優勝できないと家族がかわいそう」。ケートリン麗奈ちゃん(2)、場所前に誕生したコビー洋一ちゃんのためにも、初心に戻った。東京・羽村の自宅を午前6時に出発して、東京・本所の部屋までの毎日。シコ、テッポウ、土俵上でのけいこに加え、30分以上のウォーキング。激しいトレーニングを自らに課した。

もがき、苦しみ抜いて勝ち取った3年2カ月ぶりの賜杯。「今まで優勝の中で一番うれしい? 本当、うれしいね」。短い言葉に、苦しみからの解放された安どが凝縮した。横綱昇進後からの目標だったV10を達成。円熟期を迎えた曙は、第2期黄金時代の幕を開けようとしている。

真価は来場所問われる。 2000/8/12




_ ☆Presented by 1人でスポーツトレーニング with Wata倶楽部ネット_
_