普通、人はまばたきをすることによって、角膜を含む目の表面に涙の膜を張ります。これによって目を保護し、酸素や栄養を目の表面に行き渡らせる。
ところが、長時間コンピュータの画面を見ていたりすると、涙の量自体が減ってきて角膜が渇き、目にゴロゴロした違和感を感じたり、痛みを覚えたり目の疲れを感じるようになります。
最近はどこの会社もOA化が進み、パソコンは一人一台が当たり前の時代になっています。その結果ディスプレイに向かって作業する時間が増えています。さらに、テレビ、新聞、雑誌、本などから膨大な情報を視覚、つまり目から得ています。そのため目の酷使から疲れ目やドライアイ、眼精疲労などに悩まされている方も少なくないようです。まさに、目の疲れは現代病のひとつといえるでしょう。
OA機器のない職場の方が珍しいぐらいで、こういった状況に伴って新しい健康障害もおきています。そのうちの一つが「テクノストレス症候群」と呼ばれる心の病気。「出社困難症」や「燃えつき症候群」などと一緒にサラリーマンに多い症状としてマスコミにも大きく取り上げられたのでご存知の方も多いと思います。
初期症状として肩こりや目の疲れなどがあるが、この段階で意識して休養などをとれば、そうひどくはならないらしいが、体の不調に気づいても無理を続けていると、根拠のない不安におそわれるようになったり、うつの状態が長く続いたり、頭痛や胃の痛みを感じるようになったりする。これらの症状が悪化すると出社できなくなることもある。回復しても慢性的な後遺症に苦しめられたりするそうです。
こういった症状は専門的にOA機器を扱う人に良く見られるそうで十分な配慮が必要。テクノストレス症候群に陥りやすいタイプには、内向的、プライドが高い、傷つきやすいなどの傾向があるそうです。やはり適度な運動やスポーツ、趣味などでストレスを発散することは必要ですね。
目にも優しい心づかいが必要です。眼精疲労は目の酷使によって、その視力を低下させたものです。酷使の種類は人によりさまざまだが、長時間の読書やテレビの視聴、自動車の運転、また同じく長時間の文書事務をしている人に起りやすい。
ワープロ、パソコンなどのディスプレイに向かって仕事をしている人など、いずれも目の酷使をしているといえるでしょう。長時間とは1時間以上を意味し、理想を言えば30〜40分ごとに5分ほどはその作業を中止し、立ち上がって深呼吸をし、窓の外の遠くの風景に目を向けるなどしたい。
日ごろの心得としては1日1回屋外に出て20〜30分の軽い散歩を習慣づけること。太陽光線は視力を強化する働きもあるし、散歩は遠方を見る機会を増やすことになる。目は元来遠くを見るようにつくられているそうだ。でも、太陽光線がよいといっても、日光を直視することは避けましょう。そのほか頸部の柔軟運動を1回五分、1日3〜4回するとよい。
ビタミンA
オフィスワーカーに宿命である、このドライアイを予防するには、ビタミンAの補給が欠かせない。”目のビタミン”という異名をもつビタミンAは、ある種のタンパク質の主成分となり、光や色を見分ける視覚能力を維持する働きがある。さらに、上皮細胞や粘膜を正常に保つ作用によって、目の乾きを防ぐことも可能なのだ。ただし、ビタミンAは脂溶性ビタミンのため体内に長く留まる。過剰な摂取は悪心やめまいなどの副作用を引き起こす可能性もあるので、摂取量はくれぐれも注意書き通りに。
ビタミンE
もう一つの宿命は長時間同じ姿勢を維持することで起こる、肩こり・腰痛。
これらの対策としては、ビタミンE。血行の促進、ホルモンの分泌をよくする働きがあります。ビタミンCと一緒に摂ると抗酸化作用をさらに高めます。
いつまでも若々しくありたい女性はビタミンCとビタミンEを一緒に摂ることをお勧めします。
ビタミンC
ビタミンCには、コラーゲンの生成、毛細血管の正常を保つ、鉄の吸収を手伝う、風邪をひきにくくする。また、抗酸化作用があり目の老化を防ぐ働きがあります。
ビタミンB群
疲労物質をカラダに溜めず、神経系の働きを正常化させるビタミンB群などを意識的に補給するといい。で、ついでに軽いストレッチを実践すれば、固まった筋肉喜ぶ、仕事はかどる、早く帰れるの一石二鳥です。
ビジネスマン必須ビタミン&ミネラルも参考にして下さい。
長時間本を読んだり、パソコン、ワープロのディスプレイに向かって作業を続けていると目のピントを合わせる毛様筋が疲労するからです。最近特に増えているのがパソコンやワープロで長時間作業している人に多く見られるドライアイです。ドライアイは眼球を保護している涙の分泌が低下するために目の表面が乾燥しゴロゴロします。
なぜ、涙の分泌が低下するのかというと私たちは1分間に10回前後まばたきをするのが普通ですが、パソコンなどで作業をするときは画面を凝視するためまばたきの回数が2〜3回と極端に少なくなます。その結果、涙による眼球の保護膜が作られず、角膜にかすかに傷がついたりして疲れ目として感じるのです。目の疲れをそのままにしておくと目のかすみや痛みばかりか頭痛、肩凝り、吐き気、腰痛などの症状が起きてきます。
老眼や乱視・近視などは眼鏡やコンタクトレンズ正しく矯正し毛様筋の負担を軽減することが大事ですが、疲れ目には、前述した通りビタミンAが有効です。ビタミンAは別名「目のビタミン」と呼ばれ、欠乏すると暗いところで目が見えにくくなる夜盲症になります。
最近女性を中心に人気なのが赤ワインとブルーベリー。
じつはこの二つには目の疲労回復にも非常に関係が深いのです。
ブルーベリー
ブルーベリーに含まれている青系の色素であるアントシアニンには抗酸化作用があります。目のピントを合わせる働きをしているのが水晶体とそれを支えている毛様筋です。この水晶体は血管が通っていないため非常に酸化されやすい部分なのです。しかも、太陽光線やたばこの煙、環境汚染物質などに常にさらされている部分でもあるため、これらの物質をブロックし水晶体の老化を防ぐ事が大切です。
アントシアニンの抗酸化作用がこれらの物質の酸化を防ぎ水晶体の老化のスピードを遅らせると言うわけです。
赤ワイン
赤ワインにはポリフェノールが含まれている事は「活性酸素をぶっ飛ばす、栄養学のニュースター」でもお話しました。このポリフェノールにも抗酸化作用があります。じつはブドウの種子にはこのポリフェノールの仲間であるプロアントアニジンがふくまれています。プロアントアニジンの特徴は抗酸化作用が非常に強い事です。ビタミンEの約50倍ともいわれ、抗酸化作用のほかに、さらに注目すべき働きがあります。
それは毛細血管を丈夫にする働きで、目の組織に細かくはりめぐらされた毛細血管から目に栄養素が供給されていることを考えれば、目の健康を保つ上でもこの働きは見逃せないものです。じつは、プロアントアニジンと同じ仲間がブルーベリーのアントシアニンなのです。物質名が似ているのは働きも似ていることを示しているのです。
ブルーベリーが目にいいことは第二次世界大戦中にイギリスのパイロットたちはプルーベリーの一種であるビルベリーが夜間の視力を高める働きがある事を知っており、夜間飛行に飛び立つまえに食べていたそうです。つまり、パイロット達は経験的にプルーベリーが目にいい事を知っていたのです。なぜ目にいいかが研究され、アントシアニンという成分がつきとめられたと言うわけです。
60歳を過ぎると目の水晶体が白濁する白内障になる人が増えてきています。白内障は水晶体が酸化し白濁するのが原因です。この水晶体の白濁を防ぐ働きが抗酸化ビタミンであるビタミンCにもあります。つまり、ブルーベリーエキスのアントシアニンやブドウ種子抽出のプロアントシアニジン、ビタミンCには抗酸化作用があり目の老化を防ぐ働きがあると言うわけです。
さらに、目は神経組織の一種ですから、目の疲れにはビタミンB1、B6、B12といったビタミンB群も効果があります。B群が目の疲れに効果的なのはそれらが神経細胞の栄養にかかわるビタミンだからです。
何れにしても、目の疲れを取り、健康を維持するにはビタミンA、B群、Cを十分とることをお勧めします。
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